BEMSとは

そもそも、電気料金はどうやって決まるのか?

高圧受電の電気料金の料金体系には、いくつかの種類がありますが、原則として、上記のように基本料金と電力量料金から成り立っています。(電力会社や契約により異なります。)
電気代は、一般的に25 円くらいで計算されることが多いですが、基本料金まで含めて、1kWh あたりの電気代を計算すると、18 円〜100 円くらいになり、ビルにより大きな差があります。電力量料金よりも基本料金の方が電気代に影響していることもあり、電気単価が高くなっている場合があります。


基本料金は、契約電力で決まります。高圧受電の場合、契約電力は固定ではなく、過去1 年の最大デマンドで決まります。最大デマンドは、過去1 年間に最も電気を使った30 分間の電力消費量の平均です。

ピーク電力をカットすれば、電気料金を下げることができます。


上記左は、8 月のある日の電力量を1 時間ごとに示したグラフです。昼過ぎにエアコンのピークが来ていることがわかります。14 時に15 分でも冷房を切っていれば、右のグラフのようにピーク対策ができ、基本料金も下げることができます。
ビルの場合は、夏よりも冬にピークがくる場合があります。出勤時のエアコンが影響しています。このような場合は、時差出勤などを工夫しエアコンを一斉に始動させないなどの工夫が可能です。

BEMSを導入すると

現在使われている電力消費量を「見える化」し、一定の電力消費量に達した場合、警報を発します。

電力消費量を「見える化」することで、ピークを知ることができます。
また、デマンドロガーやデマンド警報機をつける方法があります。あらかじめ目標とする契約電力量を設定しておき、ピークがくると警報音やメールなどで知られてくれます。知らせを受け取った従業員は、15 分〜30 分だけ、業務に影響が出ない機器や電力消費量の多い機器の電源を切りピークをカットすることができます。

さらに、高度なBEMSを導入すると

一定の電力消費量に達した場合、自動的に機器を制御します。

ピーク時に電気設備の電源を自動でコントロールするデマンドコントローラーがあります。各社からさまざまな機能のものがあります。
例えば、

    • 電気機器の負荷状況を個別に把握し、負荷の高いものの出力をコントロールします。
    • 室内温度を計測し、快適性を失わずにエアコンの出力をコントロールします。
    • 照度を把握し、昼間は窓側だけ調光するなど無駄な照明を自動制御します。

そのほか、ガスなどエネルギーシフトを含めたコントローラーもあります。

導入事例

西山病院様 (一般財団法人 療道協会)

公益性のある病院だからこそ

なぜ、BEMSを導入したのですか?

電力契約にデマンド値があることは電力事業者などから聞いていましたが、病院という性格上機器の制限などが難しいこともあり、手動による管理はしていませんでした。しかし、BEMSを設置することで、医療機器や普段の運用を制限することなくデマンドコントロールができるため、導入を決めました。BEMSは、まだ一般的に普及しているものではないですが、病院という公益性がある組織だからこそ挑戦する要素もありました。

投資回収、2年半

導入に際しての問題点や最終的な判断材料は何か教えてください

LEDなどの省エネ機器と違い、何かが変わるわけではありません。目に見えて変わる物ではないために、導入判断の際にわかりやすい説明を病院内で行いました。また、導入時のシミュレーションで投資回収期間が2年半だったことが大きな判断材料でした。

基本料金だけでも年間約40万円の節約

導入の効果はありましたか?

BEMS導入前は契約電力が195kWでしたが、導入後169kWに変更することができました。これにより、(195kW―169kW=)26kW分の基本料金が削減できました。年間に直すと約40万円になります。例えば7月では、BEMSで約15,000kwhの電力量を制御し、約17万円の削減に成功しています。電気代全体では、導入から7か月で約100万円の削減ができました。

苦情のない運用

導入時に不安はありましたか?また、導入後、問題はありますか?

導入後に暑いや寒いといった苦情がこないか、少し不安はありました。しかし、今回導入した機器は、単なるデマンド調整ではなく温度計とも連動しており、導入に関して問題はないと判断しました。導入後から現在まで、病院内からの苦情などは一切ありません。

山城自動車教習所 様

自動車教習所として初の補助金利用

なぜ、BEMSを導入したのですか?

一番の動機はやはり経費の削減です。今かかっている固定費に無駄な部分がないかと考える中で、一般社団法人京都府指定自動車教習所協会からBEMSの話を聞き興味を持ちました。導入前シミュレーションの結果、数年で採算がとれるということがわかり導入を決めました。また、補助金が利用できるのも大きな判断材料となりました。

BEMSでピーク分析

導入後どのような効果がありましたか?

今までは意識しなかったデマンドのピークについて考えるようになりました。BEMSを導入したことで使用電力のピークが分析でき、デマンドのピークの原因が教習コース照明(水銀灯)の点灯とエアコンの始動であることがわかりました。また、夏季はコース照明を点灯する時間にはエアコンを止めることができますが、冬季はコース照明を点灯する時間とエアコンを使用する時間が重なるため、対策が必要であることもわかってきました。冬場は温度が低くなると、生徒のみなさんから苦情が出る可能性もあり、夏季と冬季で設定を変える必要があると考えています。

BEMSと運用改善の合せ技

導入後どのような変化がありましたか?

BEMS導入前から行っていた省エネに関する取り組みとBEMSを組み合わせることで、より効率な運用ができていると思います。本校は校舎のコース側の面がガラス張りになっているので、夏場はブラインドで遮光するなどして気温の上昇を抑えています。また、デマンドのピークを抑えるため、教習コース照明を点灯する際は器具毎に時間差をつけて点灯するなどの対策も行い、導入後の月平均で約5%のピークカットに成功しています。

省エネと快適性の両立

導入後、なにか問題はありましたか?また、今後の課題があれば教えて下さい。

特に大きな問題はありません。ただ、デマンドのピークが冬季になるので、これから対策をしていかないといけないというのが今の課題です。様々な条件があり、シミュレーション通りの運用ができないことも考えられるので、その時々に応じた生徒さんの快適性を削がない適切なBEMS機器の設定・運用ができればと思っています。

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